針供養
2月8日は針供養の日。
この日は、仕事を休んで(針を休ませる意味もある)
淡島神社に参拝し、折れたり曲がったりして使えなく
なった縫い針を、柔らかい豆腐刺して供養する日。
私が行くのは、下北沢の森巌寺にある淡島堂。
一年間貯めておいた使えなくなった針を納め
日々の感謝と和裁の上達を願ってきた。
- 2016.02.08 Monday22:35
- by 仕立て屋
- 仕事
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着物の裏に使われる八掛、裏なので目立たないかと思いきや
袖口や裾ふき、ちらちらっと翻る衽裏など以外と目につくものだ。
今回は、その八掛を取り換えて、ちょっとイメージを変えて
みたいとのご依頼。
表に緑が入っているので、その色を八掛に用いて、全体をすっきりと
まとめる事にした。
八掛を取り替えるには、八掛(袖口、衿先、オクミ、裾廻し)を外し
新たに縫い、繋いで、表と裏を綴じなおしたら出来上がり。
大島は、年月が経つと裏が縮んで表が被ってしまう事が多いので
最初に吊り合いを見て、裏の寸法を調節する事も大切。
この着物は、ご主人のお母様から譲り受けた物だそう。
背が高く、裄も長いお客様なので、寸法のお直しもさせていただいた。
色褪せや擦り切れも無くとても状態が良いので、これから先も
活躍してくれるだろう。お嬢様がいらっしゃるので、行く行くは
お嬢様もお召しになるだろうか。
世代を超えて受け継がれる物、着物ってやっぱり素晴らしいと思う。
八掛取り換え 15,000円 (八掛代別)
着物の裏に使われる胴裏は、最初のうちは真っ白だが
一度も着用しないで置いておいても、だんだん黄ばんで
くるものである。
古いものになると、胴裏に付いていた糊や、着用時に付いた
汗などが原因で、カビて茶色っぽくなっている物もある。
依頼品も、かなり変色していた。
着てしまうと人の目に触れる事のない部分なのだが、真っ白な胴裏に
取り替えると、着ている本人の気分も違ってくるのではないだろうか。
今回は、表地が綺麗な状態だったので、下ろしてのように仕上がった。
胴裏を取替えるように、八掛けも取り替える事が出来る。
裾や袖口が擦り切れてしまったり時はもちろん、八掛けの色を
変えるだけで、その着物の印象を変える事も出来る。
袷のお直しは、夏のこの時期にしておくのがお勧めです!